2005年 07月 04日
a cup of coffee
しかたなく、マイルドコーヒーというのを頼んだ。一つ一つの動作がのろのろとして私からすれば私が淹れちゃったほうが早いのに全くまどろっこしいなあ。と思いながら見ていた。その上、冷蔵庫からだした。クリームの紙パックの賞味期限が5月7日というのが見えて、「えー、あんなの出すの大丈夫かな?」と思った。カップも色々飾ってあったけれど、どれがいいなんて事も聞かずに適当に淹れてくれる。
出されたコーヒーは特にまずくも美味しくもない、ただ飲み終わった頃「お近くなんですか?」なんて話しかけてくれたので、「今日は忙しくてコーヒーいっぱいも飲めなかったんで」とか、「此処ではあまりお客さんこないんじゃないんですか?」なんて少し話をした。思ったとおり、ボケ防止のためにやっているお店で常連さんしか来ないということだった。
でも、何か話をして、結局コーヒーなんて自分が淹れたほうが早いくらいのものだけれど、こういうところで飲むって、淹れてもらうサービスとコミュニケーションを買っているようなものだな。と思った。そしてあまり綺麗とかしゃれたなんてお店ではないけれど、また来てもいいかな?なんて気になった。
そして、こんな事を思い出した。それは20年以上も前、東京のベッドタウンのある市で、初めて働き始めた独身の頃、家に帰るには反対方向だけど、疲れを癒したくて時々立ち寄った喫茶店のことだ。そこはその市で最初にできた喫茶店だという事だった。もう名前は忘れてしまったけれど、とても雰囲気のよいお店で、たしか壁にはいくつも本物の油絵なんかがかざってあった。テーブルの上にはいつも一輪挿しにバラの花なんかがいけられていた。そこではクロクムシューといったと思うが、そういうサンドイッチなんかも食べたけれど、いつもよく頼んでいたのはロシアンティーだったなあ。っていうことだった。時々思いかけず頼んでもいないゼリーなんかを今日は女性サービスデーですから、なんて出してくれた事もあった。
再びその町を訪れたら、その喫茶店が今でもあるか確かめてみたいなあ。などと思った。
by whitefullmoon
| 2005-07-04 20:53