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素朴なお菓子 月の雫

お土産に月の雫ってお菓子を買ってきた。以前も買った事あるけれど、なんとなく試食したらそこにいた店員さんがすぐにかまないで砂糖の衣が取れたころ噛んで見てください。それが一番おいしい食べ方なんて薀蓄をたれるものだからついかってかえったら、子供たちの評判は良くなかった。

箱に入っていた説明書きを読むと、この月の雫って享保年間に作られ始めた結構歴史のあるお菓子のようだ。菓子職人が砂糖蜜を煮詰めているとそこに偶々上から葡萄が一粒落ちてきて掬い上げてみると、きれいに砂糖ごろもが乾き食べてみるとえもいわれぬおいしさでお殿様に献上したのが始まりだそうだ。名前もそのお殿様が「月の雫」なんてロマンチックな命名をしてくれたらしい。今のお菓子にしてもいろいろなものが出回っている現代の人たちからすると、生葡萄に砂糖衣をかけただけの単純で素朴なお菓子だ。特においしいとは感じられないが、当時まだ砂糖なんて身分のある人達に口にしか入らなかった時代にはきっとおいしく感じられたのだろう。

それにしても「月の雫」なんて命名するなんてやはり文人墨客が集うサロンを主宰するお殿様だからできた、今でも素敵な命名だと思う。
by whitefullmoon | 2005-12-23 21:37