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ついでに・・・太宰治のこと

 そういえば、「斜陽」を書いた太宰治はこの梅雨の時期に確か山崎なんとかさんという女性と多分増水している玉川上水に身を投げて心中したはずだ。それにしても、玉川上水って多分その近辺に飲料水を供給してただろうから、迷惑な死に方だと思う。
 彼の命日は、時期がさくらんぼの実る時期で、しかも彼がさくらんぼ好きだったので「桜桃忌」と呼ばれていて、墓石の名前を刻んだところにサクランボの実をつめて供養するなんてことを聞いたような、覚えがある。その墓石のサクランボのみはどうなってしまうのだろう?鳥などがついばんでしまうのだろうか?そうやって、他の命を生きながらえさせるために、彼に供養されたサクランボがついばまれることが、また彼にとっての供養になるのだろう。

 自殺する時ですら、一人で死ねなかったということは彼は大変な甘えん坊というかさびしがり屋だったんだろう。
 以前何かで、彼は幼い頃家の使用人たちから性的虐待を受けて育ったというような話を読んだような気がする。そういう幼い頃の心の傷が彼の人生に大きく影を落としたのではないのだろうか。今でこそ、そのようなことが人間の心の発達に及ぼす弊害といったことが、叫ばれるうになった昨今であるが、昔はそんなことは全く気がつかれなかった時代だ。幼い頃にどのようにそだったかが、その後の人生にどのように影響するのかなどということは・・・

 夏目漱石にしても、親元で親からの愛情を受けず、養父母の利害に左右されてまっとうな愛情をそそがれずに、幼少期を過ごしたと聞く。そういったことが、彼のその後の精神的な不安定の原因にもなったのではないかとも考えられる。

 ほんとに人間にとって幼少期が大切っていうことなど、最近になってやっと知れ渡り始めたことなのだろう。だからといって、私が子育てするときにはそのことを自覚していて、自分の子供達の幼少期にいい親であったかというと決してそうは言えないところが沢山ある。自分のことで精一杯で、あまり子供のことも考えて接してあげられなかったなあと思う。
by whitefullmoon | 2006-06-26 19:25