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三度目の奇跡

ローマンカソリックの世界で聖人と認められるためには、多大な善行と、少なくて二つ三つの奇跡を起こしていなければ、認められないのだそうだ。

アメリカの一主婦ヘレンが夫亡き後16歳の娘を残し修道院に移り住み、そこで人々に尽くしてなくなった。その後ヘレンを慕う人たちが彼女に祈ると奇跡が起こるといわれるようになった。始まりは彼女のなくなった11月の雨の降る日に、修道院の前のマリア像が目から血を流し、それを浴びたヘレンを慕う少女が医者にさじを投げられた皮膚結核が治るという奇跡だった。数年後彼女を聖人として認めてほしいという声が上がり、その調査をするように選ばれたのが、信仰に自信をなくしかけていた年配の神父だった。彼は彼女のことを調べていく過程で、ヘレンの娘と恋に落ちそうになる。しかし、ヘレンの起こしたが奇跡と信じた彼は自分の恋をあきらめ、彼女が聖人と認められることに尽力する。1年後ローマから、審査のための枢機卿が派遣される、枢機卿は調査に当たった神父が信仰に自信をなくしていることを理由に彼女が聖人に列せられることに反対し続ける。
 最後に神父はあきらめきれずに、彼女がスロバキアにいた第二次世界大戦中にマリア像に祈ることによって、飛行機から落とされた爆弾が一つも地上に落ちなかったという話をする。それを聞いていた枢機卿の顔色がとたんに苦しげに変わる。実は彼自身がその場にいて、爆弾が鳩にかわっていくのを目の当たりにした。3人の目撃者の一人だったのだ。
 
 数年後、神父は赤ん坊を連れたヘレンの娘と出会う。彼女は「その後、母は聖人として認められたんですか。」と聞く、神父は「今三番目の奇跡を待っているところです。」と答える。

信仰に自信をなくしかけた神父を演じたのは、「白いカラス」では、年若い妻を持つベトナム帰りの男を演じたエドハリスという役者だった。
by whitefullmoon | 2006-07-01 20:57 | 映画