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12国記

一昨年結構はまってしまったものに12国記というものがある。それはどちらかというとティーンエイジャーくらいの年代の人を対象にしたファンタジー小説だとおもう。けれどとても面白かった、数年前小児科の病院の待合室でたまたま手にした文庫本がそれで、途中まで読み進めて続きが気になったにもかかわらず、どういう題名かも覚えていなかった。一昨年の秋たまたまNHKでアニメ化され、その特集をある日曜の午後やっていたので、それが12国記の中の最初の一冊目であるということがわかった。
 著者は現実にはない異世界の事だから書き易いだろうと思い書き始めたらしい。しかしかなりかえって苦労したという話だった。山海経などをモデルにした王朝時代の中国風の制度や文化を持つ世界の話である。現代の一女子高生が実はその中の一つの国の女王として生を受けていたのに、誤って日本人の女の子として生まれてしまい、他国に拉致されるような形でつれさられ、苦難を乗り越えつつ慶国の女王となっていく道を選択していくというのが一冊目の話だ。
 その世界では王や重要な官職を持つ身となると神籍にはいり寿命というものがなくなる。王の寿命は失道しないかぎり永遠に続く、寿命がない年もとらないというのはいったいどのようなものだろう。私にはなんとなく耐え切れないような気がする。秦の始皇帝は不老長寿の薬をもとめたということだが、そんなに不老長寿というものがよいものなのだろうか?権力を持ちこの世の事を意のままにできるのであれば、その状態をいつまでも保ち続けたいと思うものなのだろうか?
by whitefullmoon | 2005-07-10 13:35