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季節の移り変わり

日本には四季があるから当然季節は移り変わる。その移り変わり方にはちょっと特徴があるような気がする。
 
 例えば夏から秋、冬から春は少し前の季節が去っていったところに新しい季節が少し入ってきて、その割合が少しずつ変わりいつの間にか季節が変わっていくような変わり方をすると思う。真っ先に移り変わりを感じさせるのはなんといっても日中の長さだ。寒い中にも少しずつ日が沈む時間が遅くなると、「ちょっと前まで5時でもう暗かったのに、5時でもだいぶ明るくなったなあ。」などということがまず季節が確実に移り変わっていることを感じさせられる。
 次は気象だろうと思う。雪が降り始めるとぐっと冬になったなあと感じるものの、表日本では春が来るのもそう遠くないな。と感じさせられるし、春一番は荒々しく春到来をしらせてくれる。
 また風の吹き方などもそうだ。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」などという短歌はそれを感動とともに如実に詠っていると思う。

 そして最後に季節が移り変わったことをきっぱりと知らせているのが動植物の姿であると思う。どこからともなく漂ってくる沈丁花の香りは春の訪れを臭覚から感じさせてくれるし、甘い金木犀の香りは「ああ、もうそんな季節になっているんだ。」と秋を感じさせてくれる。夏の終わりに出てくるススキの穂なんていうのも季節の移り変わりを早めに感じさせる。
 また私の住んでいるあたりは結構まだまだ木々が多いので、寒い早朝に高らかに歌われるオス鳥の求愛の歌で目を覚まされてしまうこともある。外に出てふと目を下に向けた時、草むらに群れて咲いているオオイヌノフグリの驚いて空を見上げる青い瞳のような花には「ああ、もう春なんだな。」と確実な春の訪れを感じさせられる。
by whitefullmoon | 2008-04-04 21:45